事実を証明するような、ある意味ではとても意地悪な、珍しい実験を試みたことがある。住まいに無造作に置かれた物や家具によって主婦の日常の労力が数倍のものになっているという実験データの話である。その結果はあまりにもリアルで、きわめて日常生活に係わりの深い憲外なものであった。まず、八畳大の二つのリビングルームを用意する。その一方には三つの壁面に沿うように、サイドボード、テレビ、オーディオ機器のラック、本棚と飾り棚を置き、部屋の中央には、ソファセットを対面式のこの字スタイルにデンと置く。
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そしてもう一方の部屋には、すべての家具類を、一つの壁面にきっちりと積み上げる。サイドボードやテレビの足や出っ張りなどは、ことごとく切り取って、一寸のスキ間もないほどぴったりと納める。本棚なども思い切って半分に切断もする。最後に、各々がばらばらにならないように、アルミの既成のポールやベニヤの添え板でしっかりと固定する。ついでに色調もばらばらではむさ苦しいので、黒か白に統一する。ソファセットは家具類のなくなった二つの壁に沿わせて、L字型に配置する。