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販売価格の上昇率を超える建設費の高騰

2011.10.14

2005年当時、坪単価145万円で販売された物件です。その原価構成では、用地の取得代金や建設費を差し引いても約6・6%の利益が残ることがわかります。通常、マンション業者は6〜8%の利益率で事業計画を立てているといわれていますので、この物件は典型的な事例とみて問題ないでしょう。一方、2008年に開発した場合はどうでしょう。シミュレーションの結果、販売価格を坪単価166万8000円と15%アップしたにもかかわらず、建設費の高騰により利益はマイナス3・8%と赤字となることがわかります。実は建設費の高騰により、マンション業者の利益が圧迫される傾向は、実需向けマンションによく見られる現象です。なぜなら、一般的な実需向けマンションは都心から10〜20キロメートル離れたエリアに開発されることが多く、その事業費の内訳は土地の代金が約30%で、残りの70%が建設費という比率配分になっているからです。2006年からマンションの価格が上がったのは、土地の値上がりと建設費の高騰であることを説明しました。ただ、値上げ幅を15%にした場合のシミュレーションでは、土地代金と建設費の値上げ幅を吸収しきれず、マンション業者が赤字になることもわかりました。このことから、15%の値上げの本当の要因は建設費の高騰にあるといっても過言ではないでしょう。これまでは、地価が上がった分だけ、販売価格に反映されたと思われてきました。しかし、実際は土地の値上がり分はマンション業者が利益を抑えることで吸収していたわけです。つまり、今後、地価が下落して用地取得代金が下がることとなっても、土地代金が30%、建設費が70%で原価構成される実需向けマンションは、建設費が下がらない限り販売価格を下げることはできないのです。そして、今後、建設費が下がることは、ゼネコンの実情からも期待できないでしょう。

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