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日本独自の象徴作用について

2011.11.12

構造は、床の間の茶花の場合にもあてはまる。そしてイオニア式の柱の場合にはあてはまらない。イオニア式の柱は、その置かれた「場所」がどこであろうとイオニア式の柱はイオニア式の柱という意味を発信する。そのために必要かつ充分な形態的定義づけが、すでにそのもの自身に対して行なわれている。これは「枕草子」の英訳が、「文脈」や「場」を理解しえない読者に対しても、充分に「春はあけぼの」の意昧するところを伝えるのと同様である。

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ただし、茶花の場合は異なる。茶花それ自体には、いかなる形態的定義づけも行なわれていない。それは野の片隅に咲いていた、ごくあたり前の花である。しかし、ある「場所」が設定され、その「場所」にその花が並べられると、そのあたり前のなんでもない花が、俄然、一つの象徴として機能し始める。この型の象徴作用が、日本の文化の基本には流れている。それはもちろん茶道の世界だけでなく、絵画の世界にも、料理の世界にも、そして建築の世界にも共通する象徴作用の型なのである。





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